学生生活

2011年01月17日

国際・留学

平成22年度「九州大学・釜山大学校医科大学間学生交流プログラム」について(実施報告)

 本年度27回目をむかえた「九州大学・釜山大学校医科大学間交流プログラム」において、今年は平成22年5月24日~28日九州大学学生4人が、5月9日~20日に釜山大学校学生5名が相互に訪問し、交流を行いました。平成22年度からプログラムを変更し、これまでに主に3~4年生を対象としていたものを6年生を対象とし、医療現場でのより実践的な研修が行われるようになりました。
以下に本年度釜山大学校に渡り、研修を経験した学生の感想文をご紹介します。
釜山大学研修報告
医学科6年 津田麻理子

 
1.Yangsan病院での皮膚科研修について


Yangsan病院のエントランス 

 Yangsan病院皮膚科スタッフの方と津田(写真中央)


釜山大学には二つの附属病院(Amido病院とYangsan病院)があります。今回私が研修したのは、新しいYangsan病院でした。新しい病院なだけあり、私の見学した皮膚科は、34歳と31歳の若手医師二人と、ナース三人が働くアットホームな職場でした。
外来を見学する際、バイオプシーの手技も実際やらせていただき、(そして失敗してご迷惑をかけ)忘れられない経験になりました。
私の知識と英単語力が追いつかない場面が多々ありましたが、その度に丁寧に先生方は説明して下さり、大変助かりました。釜山では医療単語をすべて英語で学ぶと聞き、私ももっと医療英語を強化しないといけないな、と多少の危機感を抱いた一週間でした。

2.中心街のclinicとAmido病院の見学について


ビューティース皮膚科医院のスタッフ
ロッテホテルの正面の通りには、美容皮膚科と眼科、形成外科がずらりと軒を並べています。その中にある、釜山大学の元professorが経営する「ビューティース皮膚科医院」を一日見学しました。レーザー治療を得意とするクリニックで、シミや尋常性白斑から、静脈瘤と言った、日本ではあまりレーザーを使わない疾患まで、広くレーザー治療が行われていました。
ここでは色んな話を伺ったのですが、個人的に印象深かったのは、Latisseというまつげ育毛剤の話をする際に紹介された、髪の毛をまつげに移植するというまつげ増毛治療の話です(日本でも行われているのかもしれませんが)
「それはまつげにしては長すぎるのではないか」「切れば良いんだよ」というあっさりした会話に、大陸的な大らかを感じ、妙に忘れられない記憶となりました。 

大学病院の本幹であるAmido病院では、朝のカンファレンスとtop professor(主任教授)の外来を見学させていただきました。カンファレンスは、日本の学生のために・・・とすべて英語で行われ、その気配りに驚きました。

3.韓国の学生について
韓国の医学部には、日本と同じ6年生大学と、他学部既卒業者用の4年生大学の二つの大学があります。今回お世話になった釜山大学は後者で、一緒に研修していた4年生は皆、工学部や薬学部といった大学を卒業していました。
私が皮膚科で一緒に回った李さんは、東洋医学部出身でした。韓国では6年制の東洋医学部が別に存在し、医者と東洋医は別の資格として存在するようです。李さんはやたらと英語が流暢な上に東洋医なので漢字に強く、日本語も少し話せるというデキる人で、今回の研修で、大変お世話になりました。この場を借りて感謝を述べたいと思います。
ありがとうございました、李さん。

4.キャンパスとトレーニングルーム
 
 Yangsanキャンパスは新しいこともあり、学生の学習環境が充実していました。最終学年用に、一人一つのデスクが用意されており、静かに勉強する様子が見られました。
コードブルー設定でのスキルトレーニングも体験させていただいたのですが、自分のあまりの出来なさにがっかりしたので、多くは語りません。もう少し救急勉強しなおします。
※コードブルー:医療現場で救急蘇生を要する患者がいることを表す際の言葉









5.まとめ
今回の研修では、日本の大学病院ではなかなか経験できないような多くの症例を見ることができ、また医療英語に対するモチベーションを上げることができました。日常英語に関しても、お互いネイティブではないにしろ、使う機会があるのとないのとでは全然違います。自分の文法と単語の甘さに毎日悔しい思いをしながらも、一週間で、少しは進歩できたような気がします。
国際交流という点でも、とても良かったです。以前観光で行ったよりずっと深く、韓国のことを知ることができました。
釜山との交流プログラムは27年間の歴史を持っています。研修中も、「私、昔このプログラムで九大に行ったのよ」と声をかけられて、嬉しく思うことが幾度かありました。数年後、私も「昔このプラグラムで釜山に行ったのよ」と、韓国の学生に声をかけられたら良いなと思います。
貴重な機会を与えてくださった臨床検査医学分野の康先生、釜山でお世話して頂きましたペク先生、医学学生係の藤波さん、援助をしてくださった同窓会の方々、そして現地でお世話になった先生方、ありがとうございました。
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