学生生活

2019年07月19日

国際・留学

慶尚(キョンサン)大学校国際交流(クリニカルクラークシップ)

  九州大学医学部医学科では、韓国の仁済(インジェ)大学校医科大学、慶尚(キョンサン)大学校、釜山(プサン)大学校の3大学と学生交換交流を実施しており、令和元年4月8日(月)~5月10日(金)の期間に医学科6年生3名が、慶尚(キョンサン)大学校を訪問しました。


 現地では英語を使用し、授業外の時間も韓国の学生と食事を共にするなど交流を深めています。

国際交流 (医学研究院のウェブサイトへリンクします。)

慶尚大学校での実習を終えて
 
医学部医学科6年 窪田 義己
 
 
   この度、4月8日~5月10日の5週間、韓国のチンジュにある慶尚大学校で臨床実習に参加してきました。韓国での実習は楽しく、とても充実した留学生活を送ることができました。
  
  
習について
    循環器内科2週間、放射線科1週間、泌尿器科1週間、整形外科1週間を回らせていただきました。慶尚大学校では先生と学生の距離が非常に近く、教育熱心な先生が多い印象でした。また一緒に実習科を回った学生はみんなフレンドリーで、積極的に話しかけてくれたり、講義中に翻訳してくれたりといろいろな場面で助けてもらいました。

  さて、実習の内容ですが先生の講義を受けたり、手技の見学をしたりと日本と大きくは変わりません。ただ講義は英語で準備してくださる先生方も多く、ありがたかったです。また毎週OSCEがあり、診療科に関連した医療面接や手技のテストがありました。循環器内科では血圧測定と医療面接、放射線科では胸部X線写真のプレゼン、泌尿器科では尿道カテーテル、といった感じです。他にも論文を読んでpower pointにまとめたり、心電図を読んだりする宿題もありました。これらのおかげで実習の内容は非常に濃いものとなっていました。

 
活について
  寮のゲストルームが一人一部屋割り当てられていました。部屋は広く、湯沸かし器や冷蔵庫、ドライヤーなど設備も整っています。また毎日清掃員の人が部屋の掃除をしてくれ、まるでホテルのようでした。食事に関しては朝と昼に寮の食堂で無料で食べることができます。 実習についてでも書きましたが、慶尚大学校の学生はとても親切で、昼や夜に食事に連れて行ってもらう機会も多かったです。おかげで韓国料理はほぼすべて食べつくした気がします。特にチンジュの名物である、ユッケビビンバは最高に美味しかったです。また病院のまわりにはカフェも多く、実習の休み時間にはコーヒーを飲みながら談笑したりして過ごしました。
  
日について
  最初の週末は2月に日本に実習に来ていた慶尚大学校の学生に連れられて全州に1泊旅行しました。他の週末には釜山に行ったり、レンタカーを借りて慶州に行ったりしました。慶尚大学校のあるチンジュは小さな町なので、週末はいろいろな場所へ遊びに出かけてみるといいかもしれません。
  
学を終えて
  留学に行く前、一番の不安は英語でした。日常英語はともかく、医療英語は普段から意識して勉強していないとなかなか身につかないと思います。留学を決めてからでも遅くはないので、こつこつと医療英語を勉強しておくことをお勧めします。また日常会話に関しては、韓国の学生も日本の学生と同じくらいの英語力です。話したいという意志さえあれば、コミュニケーションはとることができ、あっという間に仲良くなれました。 もし興味を持たれた方がいましたら是非参加してみてください。
  今回の留学での5週間は、日本にいる時とは比べ物にならないくらい長く感じましたが、その分充実した毎日を過ごせたと思っています。このような機会を下さった康先生、慶尚大学校の先生方、医学学生係の方々、本当にありがとうございました。
   

 

 


  
韓国クリクラ in Gyeongsang National University Hospital
 
医学部医学科6年 新宮 直人
  
 
  4/8~5/10の5週間に渡って慶尚大学校で病院実習をさせていただきました。私は循環器内科、小児科、整形外科、一般外科、放射線科の5つの実習科で勉強しました。各々簡単に述べます。
 
   循環器内科:カテーテルの見学やEKGのレクチャーを受けました。また、教授に論文を読んでプレゼンテーションの準備をしてくるよう言われ、プレゼンテーションを行いました。論文を読む習慣がなかったのと、プレゼンテーション資料を英語で作る経験の少なさも相まって苦戦しました。現地の学生はEKGなど膨大な量の課題が出されていましたが、しっかりとこなしていました。

  小児科:慶尚大学校からバスで1時間ほど離れたところにあるChangwon Hospitalという大学病院の分院で実習を行いました。そのため、この週だけChangwon Hospitalの当直室に宿泊させて頂きました。NICU、心エコー、消化管内視鏡の見学やレクチャーに加え、与えられたテーマを元にプレゼンを行いました。

  整形外科:ひたすら朝が早い科でした。膝のオペがメインで、術野に入って縫合の練習もさせて頂きました。

  一般外科:肝胆膵・消化器・乳腺・頭頸部の手術を見学しました。癌告知のロールプレイも英語で行い、英語で表現するニュアンスの難しさを感じました。

  放射線科:韓国の学生と一緒にOSCEの試験を受けました。内容は胸部レントゲンの読影でした。

  全体的に、韓国の学生は教授との距離が近く、レクチャーなど実習内容が豊富で教育的な環境が整っており、質問を積極的にしたり、膨大な課題も漏らさずこなしたりと学生がそれに応えているという印象でした。また、大学に入学する際に英語のスピーキングの試験があるらしく、英語力の高さは平均的にとても高いと感じました。また、医学用語を英語で学んでおり、語彙が非常に豊富だと感じました。実習中も韓国語を翻訳してくれました。
 
  寮の一人部屋で生活しました。アメニティは付近のダイソーで買い揃えたので不便はありませんでした。

ネットワークに関して寮・病院ともににWi-fiが整っているので不便は感じませんでした。PCはプレゼンテーションの資料作りや論文を読むときにあると便利です。

  食事は朝食と昼食は無料で食べることができました。ほぼ毎食キムチがついてきます。また、キャッシュカードがほぼどこでも使えたので現金を使う機会は少なかったです。

  慶尚大学校のある晋州は、病院の外に出ると基本的に韓国語しか使えないので、簡単な韓国語は覚えました。 
 
  休日は慶尚大学校のある晋州だけでなく釜山、慶州、全州を観光しました。
ちょうど数ヶ月前に九大に実習に来ていた学生と一緒に旅行に行く機会もありました。伝統的な衣服であるハンボや様々な韓国料理を楽しむことができました。
  また、韓国の学生や教授からご飯に誘って頂くことも多々あり、韓国の文化と日本の文化の違いについて話しながら料理や酒を楽しみました。日本の文化が好きな学生も多く、マニアックな話もできました。
  また、国際免許でレンタカーを運転しました。韓国は右側通行に加え、パーキングの事情で路上駐車が多い上にアグレッシブなドライバーが多いので注意が必要でした。
  また、最終週に膿瘍ができて抗菌薬の処方を受けたというハプニングもありましたが、現地の先生方が何かあったらいつでも相談してくれと何度も心配してくださり大変心強かったです。病気をした場合はERで診療してもらうことになりますが、基本的に値段が高く、海外旅行保険に入っておいて安心しました。

後に
  韓国の学生や先生方は非常に優しく誠実な人柄だという印象が一番でした。そして韓国の学生はおそらく日本の学生より格段に多くの量を勉強していました。韓国の文化や考え方についても学ぶことができ、韓国人の日本に対する考え方も少しですが理解できた気がします。
  そして英語はとてもありがたい言語だということに気づきました。韓国語はほぼ分からないので英語だけが頼りでした。それとともに自分の語彙力の無さにも気づけましたので、これからの良いモチベーションになりました。
  最後に、このような機会を与えてくださった康先生を始め、現地の学生、先生方には数え切れないほどお世話になり、本当に感謝しております。


 

 
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