学生生活

2019年07月19日

国際・留学

釜山(プサン)大学校国際交流(クリニカルクラークシップ)

  九州大学医学部医学科では、韓国の仁済(インジェ)大学校医科大学、慶尚(キョンサン)大学校、釜山(プサン)大学校の3大学と学生交換交流を実施しており、令和元年5月13日(月)~6月7日(金)の期間に医学科6年生3名が、釜山(プサン)大学校を訪問しました。

 現地では英語を使用し、授業外の時間も韓国の学生と食事を共にするなど交流を深めています。

国際交流 (医学研究院のウェブサイトへリンクします。)


釜山大学校での実習を終えて
 
医学部医学科6年 萩原 拓貴
   
 
   2019/5/136/7にかけて、釜山大学校梁山病院で臨床実習に参加しました。私にとって、海外に長期間滞在することは初めてで、出国する直前は不安になりましたが、1か月間の韓国での生活は刺激が多く、貴重な経験になりました。

 
山での生活
  病院まで徒歩10分程度の学生寮で、友人と一緒に二人部屋に宿泊しました。食事は朝食・夕食を食堂でいただけますが、朝の集合時間が早いのもあり、朝食はコンビニのおにぎりを食べていました。シャワー、トイレ、冷蔵庫は部屋にあります。アメニティやトイレットペーパーは、寮内のコンビニや近くのスーパーで買うことができます。洗濯に関しては共用の洗濯機を使用しました。寮内には、24時間利用できるコンビニ、自習室、ジムがあり、とても快適に過ごせました。梁山病院は、建設されてまだ10年ほどの病院で、病院の周りも発展途上とのことでした。先生方は、梁山は田舎だとおっしゃっていましたが、病院から10分程度歩くと、レストラン街やスーパー、カフェもたくさんあり、よく放課後に散歩をして韓国の雰囲気を楽しみました。
 
習について
 
   
  家庭医と麻酔科を2週間ずつ見学しました。スケジュールの都合上、韓国の医学生と一緒に実習に参加したのは1週間のみで、残りの3週間は先生方に付いて参加しました。
  家庭医では、外来見学とレクチャーに参加しました。外来見学では、患者さんとの会話はもちろん韓国語であったため、私にはまったく理解できませんでしたが、終わった後に先生に英語で説明していただきました。また、レクチャーのスライドはすべて英語で書かれていて、韓国の医学生の英語に対する抵抗感の低さを感じました。
  麻酔科は、手術室での見学がメインでした。患者さんが入室するところから、回復室に移動するところまで、レジデントの先生に付いて見学しました。そのため、手術も見ることができました。医療スタッフの仕事内容や手術室の様子の日韓の違いを見学することができて面白かったです。
 
外の医学生
  韓国の学生は、気軽に話しかけてくれたり、昼食を一緒に取ってくれたりなど、いつも気にかけ、親切にしてくれました。基本的に英会話の能力も高く、私が言いたいことをうまく伝えられないときに、推測してフォローしてもらうこともありました。韓国の学生とお酒を飲みながら、日本の観光地や漫画、映画の話で盛り上がったり、医学生の生活について話したことは素晴らしい思い出になりました。次回、海外に行く機会があったとき、もっといろいろなことを自由に話せるように、英会話の勉強をしようと改めて思いました。
 

 

 


  
釜山大学校での実習を終えて
 
医学部医学科6年 山本 夏帆 
 
   クリニカルクラークシップ第2期(5/13~6/7)に韓国の梁山釜山大学校病院にて実習をさせていただきました。
 
習について
  前半2週間は形成外科、後半2週間は眼科でお世話になりました。どちらもマイナー科であり、私がいた1ヶ月間で最初の1週間は6年生の学生がいましたが、それ以降はOSCEの準備・本番期間ということで学生は私一人でした。メジャー科には5年生の学生もいたようです。
 
成外科での実習
 
   
   形成外科では、最初の1週間は学生が2人いて、手術や実習に関してはもちろん、おすすめの観光地やドラマなども色々と教えてくれました。昼食は病院から徒歩10分程度の近所に集まっている飲食店へいつも連れて行ってくれ、おいしい韓国料理をたくさん紹介してもらいました。学生とResidentの先生にたまたま日本語が大変お上手な方がいらっしゃり、ほとんど説明を日本語でしてくださったので全く不便がありませんでした。その他の先生方もとても親切で、英語で説明や質問を丁寧にしてくださりました。
  一日のスケジュールは、大体7:30~17:30で、午前中は手術見学、午後は外来見学で患者がいない時間に縫合の練習を行いました。形成外科にはProfessorが5人いらっしゃり、乳房再建手術や皮弁を用いた褥瘡などの手術、顔面骨折の手術や腫瘤切除などを行われていました。初めて見る手術が多く、特に顔面などの皮弁は立体に沿わせるための縫合の種類がたくさんあり興味深かったです。
  2週目からは学生が私だけだったので、月・水・金の乳房再建手術では全て手洗いし、実際に縫合もさせていただき大変貴重な経験となりました。乳房再建といっても、balancingや広背筋皮弁を用いた手法など、様々な手術を見ることができました。形成外科で印象的だったのは、手術中や外来診療中、学生も作業の流れや必要器具などを把握し、積極的にアシスタントをしていて、本格的にチームに参加していたことです。学生の話では、特に形成外科の教授がそのような方針を採られているとのことでした。
  
科での実習
 
   

 
  午前中は手術見学、午後は手術見学か外来見学となることが多く、先生方は皆とても親切で昼食は毎日のように外や職員食堂、カフェに連れて行ってくださり、楽しくお話をしてくださりました。Professorは8人いらっしゃり、白内障、緑内障、網膜、角膜、硝子体、小児眼科、形成眼科などを専門とされていました。手術では、一般的な白内障手術や散瞳薬が使えない患者における虹彩を牽引しながらの白内障手術、緑内障のインプラント手術、斜視、翼状片、先天性眼瞼下垂に対する手術、涙嚢鼻腔吻合術、眼窩吹き抜け骨折の再建などを見ることができました。外来では、Graves病の眼瞼腫脹に対する注射や義眼のメンテナンス、術後のフォローなど様々な症例を見学しました。小児外来では斜視や弱視の患者が多く、Coffin-Siris症候群という非常にまれな遺伝性疾患の症例にも出合いました。Professorたちは手術や外来でお忙しくても常に私を気にかけて説明してくださったり顕微鏡をのぞかせてくださったりし、とても勉強になりました。
 
  
常生活など
  病院から徒歩10分ほどの寮に無料で滞在させていただきました。食堂の朝食・夕食を付けることができましたが、形成外科は朝早かったので平日の夕食のみ利用しました。私は1人部屋を使用させていただき、部屋にはWi-Fi、トイレ、シャワー、ベッド、勉強机、クローゼット、冷蔵庫があり快適に過ごせました。エアコンもありましたが滞在中は使いませんでした。洗濯機・乾燥機・アイロンは共用部にあり、私は寮のコンビニで巨大な洗剤を買って大量に余らせてしまったので、毎回買う(50円程度)か、近くのスーパーで少量のものを買うか、持参するのがいいと思います。
  福岡からの交通手段はビートルを利用しました。荷物の重量制限が20 kgだったので最低限しか入れませんでしたが、港で実際に計量されなかったので韓国へのお土産や衣類などをもっと持参すればよかったと思いました(計量されない保証はありません)。
  学生や先生方は本当に手厚くもてなしてくださり、たびたびご飯に誘ってくれ、車で野球観戦や夜景を見に連れて行ってもらうなどして楽しい思い出がたくさんできました。
  週末は釜山や少し足を延ばしてソウルや晋州へも観光に行きました。病院がある梁山から釜山中心部までは地下鉄で1時間ほどかかりますが、運賃は片道約150円と驚くほど安く、バスやタクシーも日本より安く気軽に利用できました。
  約1ヶ月という長い期間を海外で過ごすのは初めてのことでしたが、学生や先生方、街中の飲食店の店員さんやタクシー運転手さんまでも温かく接してくださり、大きな不安や不便を感じることなく韓国での生活を楽しむことができました。また、韓国では医学用語を韓国語と英語両方で学ぶそうで、手術の予定表にも初めて見る英単語が数多く並んでおり、勉強になったと同時に帰国後も自分で英語の勉強をする必要性を痛感し身が引き締まりました。
   
後に
  この度韓国でのクリクラに参加した大きな理由のひとつは、ポリクリの時九大に来ていた慶尚大学校の学生たちと友人になり、韓国でのクリクラを勧められたとともにまた彼らに会いたいと思ったことでした。本来韓国のクリクラは1期でしたが個人的な事情で1期で参加することが叶わず、2期でも参加できないか伺ったところ、康教授および釜山大学校が快く受け入れてくださり、結果すばらしい経験を得ることができました。この度貴重な留学の機会を与えてくださった康教授、学生係の方々、Ahn教授をはじめ梁山釜山大学校病院の皆様、慶尚大学校の友人たち、一緒に参加してくれた同期、韓国でお世話になったすべての方々にこの場を借りて心よりお礼申し上げます。

ページのトップへ