学生生活

2019年07月22日

国際・留学

仁済(インジェ)大学校国際交流(PBL体験)

 九州大学医学部医学科では、韓国の仁済(インジェ)大学校、慶尚(キョンサン)大学校、釜山(プサン)大学校の3大学と学生交換交流を実施しており、平成31年2月18日(月)~2月22日(金)の期間に医学科の学生5名が仁済(インジェ)大学校を訪問しました。

 現地では英語を使用し、授業外の時間も韓国の学生と食事を共にするなど交流を深めています。

国際交流 (医学研究院のウェブサイトへリンクします。)
仁済(インジェ)大学校でPBL研修を受けた5名の感想文を掲載します。

医学部医学科3年 佐野 仁美 感想文へ
医学部医学科3年 徳冨 夏奈子  感想文へ
医学部医学科3年 中村 理乃 感想文へ
医学部医学科3年 花木 伶 感想文へ
医学部医学科3年 前田 優華 感想文へ

 

仁済大学校国際交流
医学部医学科3年 佐野 仁美

 
 
 
   
  私は、三年生後期の本試験終了後の二月末に、仁済大学校でのPBL実習に参加させていただきました。行きたいと思うようになったきっかけは、二年生の解剖実習で、仁済大学校からの留学生を受け入れたことでした。そこで九州大学とは少し異なった韓国の医学部の話を彼らから聞き、私も仁済大学校に行ってみたいと思うようになり、友人とともにこのプログラムを見つけ、申し込みました。この海外実習では、私たちは釜山に行きましたが、私は韓国に行くこと自体が初めてで、恥ずかしいことにハングルも読めなければ、韓国語も全く分からなかったので、一番不安だったのは、言語の壁でした。しかし、仁済大学校の方々はとても親切で、私のつたない英語を必死に拾ってくれ、また、英語の分からない管理人の方も、いろいろなトラブルに対して、とても熱心に対処してくださいました。わずか一週間でしたが、韓国のことが大好きになりました。

  PBLの実習は、少人数の学生班で模擬患者を実際に診察し、グループ内で討論して、その患者の症状の原因を探り、治療方針を考える、というものでしたが、医学知識も医学英語もほとんど頭に入っていなかった私にとっては、とてもハードなものでした。初日は、まず、医学英語が全く分からなかったため、討論に出てくる医学英語を日本語にするのに必死でした。一週間のPBLのテーマは同じであったので、次第に理解できるようにはなりましたが、最後まで参加ではなく見学しているという状態でした。そんな私とは対照的に、仁済大学校の学生たちは、私と同じ学年にも関わらず、臓器名や病名を英語で覚えているだけでなく、医学知識の英語での説明や、英語での医学討論を当たり前のようにしていて、私にとってとても刺激的な経験になりました。日常会話の英語力でさえ、私よりもはるかに上手で、どうしてそんなに英語ができるのか彼らに聞いてしまったほどでした。

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仁済大学校でPBLに参加して
医学部医学科3年 徳冨 夏奈子

 
 
 
   
  今回私は、韓国の釜山にある仁済大学校で、5日間の短期交換留学に参加しました。海外で英語を使っての授業を体験してみたかったのと、仲の良い友達も一緒に参加すること、また前年度の解剖実習の際に仁済大学校から来ていた留学生にも会えるという事などから、参加を希望しました。

  仁済大学校で行われていたPBL(Problem-based Learning:問題解決型学習)とは、模擬患者の方を学生が問診し、集めた情報から仮説を立て、何が要因であるかについてのあらゆる可能性を班で話し合うというものでした。臨床分野それぞれにつきPBLが行われるとのことですが、驚いたことに、PBLを実施する段階はその分野の講義を受ける前だそうで、習う前の事を自分たちの力で調べ、グループワークに取り組んでから、教授による講義に臨むという流れが確立されていました。とてもレベルが高い学習方法だと思うと同時に、この過程をこなせば医学知識をあらゆる方面から学習し定着させられると感じました。

  最終日には、同じ班の人達が海辺の綺麗な景色を見せに連れて行ってくれました。英語での雑談にも慣れてきた頃で、お酒を飲みながらお互いの文化のことや日本で普段しているようなや笑い話などをして楽しい時間を過ごしました。

  短い期間でしたが素晴らしい経験と思い出ができました。仁済大学校の先生方や学生の方々、職員の方々、そして康東天教授に、心より感謝を申し上げます。

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仁済大学校国際交流(PBL)感想
医学部医学科3年 中村 理乃

 
 
 
 
 
   
  2019年2月18日から22日の間、仁済(インジェ)大学校のPBLの授業に参加させていただきました。

  PBLという形式の授業が初めてだったこともあり、全てが新鮮でした。私のグループは仁済大学校の学生が6人、日本人が私1人の7人の班でした。PBLの授業はTutorial、Discussion、Conferenceの3種類に分かれています。Tutorialは教授の助言のもと班員全員で議論しながら課題をこなし、Discussionは班員のみでConcept mapやSchema作成などの課題に取り組み、そして最後に行われるConferenceでは班で話し合った結果の発表を行いました。

  授業中は、仁済大学校の学生の英語力と知識量にとにかく圧倒されました。最初の授業では医師役を務める学生が模擬患者の診察を行い、その診察結果をもとに患者にどんな病気が隠れているのかを考えたのですが、仁済大学校の学生は私と同じ学年とは思えないほど診察に慣れており驚きました。また、診察で得た手がかりから仮説を立てる段階では、学生たちの知識量の多さと、どの学生も積極的に発言する姿勢に驚きました。Tutorialの授業だけでなく、学生だけで行うDiscussionの時間もみんなが真面目に取り組んでいる様子を見て、もし同じ授業を九州大学で行った場合もこうなるのだろうか、とつい考えてしまいました。

  Concept mapやSchemaの作成では、ブレインストーミングの要領で関連する事象を全て書き出し、体の中で何が起こっているのかを色々な観点から考えていきました。今回は無尿をテーマにしたPBLでしたが、泌尿器系、内分泌系、循環器系、解剖学、生理学、薬理学、感染症など様々な知識が必要でした。また、仁済大学校の学生達は教科書の知識を頭に入れているだけでなく心電図、CT画像、検査値を読むことにまで慣れており、PBLの授業中はこのように圧倒されることばかりでした。

  一方私はグループの議論に参加する以前に、慣れない英語の医学用語との戦いでした。出てきた単語を翻訳しながら、今何を話しているのかを理解するのに精一杯でしたが、分からないことがあっても班のみんなが私のことを気にかけて優しく丁寧に教えてくれ、彼らのおかげで理解することができ、本当に感謝しています。仁済大学校の学生達はPBLのために数日間勉強し、しっかり備えてから臨んでいるそうなので、私たちもある程度予習してから行くべきだったのではないかと思います。

  PBLのように、学生が自ら積極的に学習する形式の授業に参加したことは貴重な経験になりました。ただ講義を受けるだけという学習の仕方よりもPBLのような授業を通して得た知識の方が定着しやすいだろうと思います。また今回のPBLで行ったように様々な分野を関連させる授業はとても参考になりました。PBLの授業の目的は正しい答えを出すことではなく、自分が何を知らないのかを把握することだと、私の班を担当した教授が仰っていました。この姿勢を忘れずにPBLで経験したことを今後の勉強に活かしていきたいと思いました。

  学生たちとの交流については、私たちの滞在期間が仁済大学校の学生の試験期間と重なっていたため、彼らはとても忙しそうで交流する時間があまりなかったのが残念でした。ただ、各班に1人、私たち日本人学生の世話をしてくれる学生がいて、彼女たちとはほぼ毎日一緒に朝食を食べるなど、授業以外でも関わる機会が多くて、とても仲良くなることができました。また帰国する前日の夜に、班のメンバーたちと観光地の1つである広安里に遊びに行き、海岸を歩きながら色々語り合ったことは良い思い出です。PBLの時間は仁済大学校の学生をただ尊敬の眼差しで見ていましたが、たくさん話をするにつれて共通点が多く見つかりました。国が違っても大学生は基本的に同じような生活を送っているようです。韓国は福岡からとても近く地理的に身近ですが、友人が増えたことで韓国という国が私にとってさらに身近な存在になりました。今回知り合った仁済大学校の学生と今後も交流を続けていきたいです。このように素晴らしい機会を与えてくださった、このプログラムに関わった全ての方々に感謝しています。ありがとうございました。

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仁済大学校PBL参加の感想
医学部医学科3年 花木 伶

 
   
  仁済大学校のPBLに参加してまず感じたことは、韓国の学生の英語力の高さです。私たち日本人がいるグループのPBLは全て英語で行われました。みんな英語をまるで母国語みたいにスラスラと操っていて、医療用語もバンバン英語を使っていて、話に付いていくために聞いては、Googleでわからない単語を調べるといった状況でした。こんなダメダメな私たちに対しても、韓国の学生はとても親切に接してくれて、わからないところを英語や日本語でわかるまで教えてくれました。同級生なのに、語彙力も医学的知識も私たちの数段も上で、ただひたすら圧倒されたと同時に、『私ももっと頑張らなくちゃ』という気持ちも生じました。

  PBL以外では韓国の学生はたくさんいろんなところに遊びに連れて行ってくれました。個人的には、夜に行った廣安里の海岸はとても綺麗で印象に残っています。仁済大学校の担当してくれた人たちに助けられ、楽しい一週間にすることができました。韓国に一週間も留学することは不安もありましたが、今は参加してよかったと心から思っています。後輩のみなさんも興味があれば、ぜひ参加してみてください。得られるものはたくさんあると思います。

  最後になりましたが、企画してくださった康先生をはじめとする先生方、たくさん助けてくれた仁済大学校の学生たちには本当に感謝しています。ありがとうございました。

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仁済大学校国際交流 成果報告書
医学部医学科3年 前田 優華

 
 
 
   
  私たちは、2019年2月18日から22日の一週間、仁済大学校でのPBL(Problem Based Learning)に参加させていただきました。この経験を通して感じたことについて述べたいと思います。

  まず、何よりも自分自身の医学に関する語学力のなさを痛感しました。九州大学では普段英語で授業が行われることはなく、英語の必要性もさほど感じたことはありませんでした。しかし、今回仁済大学校の学生とともにPBLをし、ディスカッションを行っていく中で、予想を超える仁済大学校の学生の語彙力の高さに驚きました。またそれと同時に、自分自身の医学英語の語彙力のなさを恥ずかしくも思い、英語学習の必要性を強く感じました。このような経験は日本で勉強しているだけではなかなかできないと思うので、苦労はしましたが、国際交流に参加してよかったと感じています。

  今回の国際交流で、私は初めてPBLに参加しました。PBLでは7人ほどのグループに分かれ、各々のグループで、模擬患者に問診や検査を行い、その結果から病態について考えるという方法で学習が行われました。このような学習方法は初めてだったのですが、実際の診療に近い思考プロセスであり、また学生の間でディスカッションを重ねて理解を深めていくといった点で、記憶にも残りやすく、非常に勉強になりました。また、仁済大学校の学生は皆さんとても自発的、意欲的にPBLでの学習に取り組んでいて、その姿勢に私自身とても刺激を受けました。

  仁済大学校の学生さんたちは、私たちにとても親切にしてくださいました。PBL中には同じグループのメンバーが、医学英語の分からない私たちが理解できるようにかみ砕いて説明してくれたり、私たちが辞書などを用いて英語を理解するのを待っていてくれたり、韓国語での映像の要点を英語に訳してくれたり、私たちがPBLに参加できるように色々と助けてくれました。そうでなければ、きっと私は何もわからないままただ座っているだけだったと思うので、グループのメンバーの皆さんにはとても感謝しています。PBL以外の時間にも、私たちを歓迎し、食事に連れて行ってくれたり、帰国前夜には一緒に遊びに出かけてくれたりと、たくさんの楽しい思い出を共有でき、とてもうれしく思っています。

  最後になりますが、仁済大学校の教授をはじめ、滞在中にお世話になりました仁済大学校の職員の方々、康教授をはじめ九州大学の職員の方々のご支援により、この貴重な経験ができましたこと、感謝申し上げます。

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