2025年08月26日
国際・留学
韓国 ソウル大学校での臨床実習報告(クリニカル・クラークシップ)
「クリニカル・クラークシップ」とは、学生が医療チームの一員として診療・治療に参加し、臨床能力を身につける臨床実習方式のことです。
九州大学医学部医学科では、臨床実習の一環として、韓国ソウル大学校での短期実習プログラムを実施しています。
本記事では、2025年5月12日から6月6日にかけて短期留学を行った2名の学生の報告を掲載します。
三輪玲奈さんの実習報告
ソウル大学クリニカルクラークシップ 成果報告書
【実習について】
5月12日から6月6日の4週間、韓国・ソウル大学での臨床実習に参加させていただきました。私は循環器内科と神経科でそれぞれ2週間ずつ実習を行いました。
韓国では依然として医学生やレジデントによるストライキが続いており、基本的に私一人での実習となりました。循環器内科では、PCIやアブレーションの見学、外来診療見学を行いました。また、神経科ではパーキンソン病や自己免疫性脳炎を専門とする外来の見学に加え、研究室のミーティングにも参加させていただきました。韓国で実習をする上で最も印象的だったのは、医療現場におけるスピード感です。韓国では日常生活全般において「빨리빨리(早く早く)」という文化が根づいており、医療現場でもその傾向が顕著でした。カテーテル治療では、処置が終わる前に次の患者さんがすでにカテ室の前で待機されており、午前中だけで6~7件の症例がこなされるなど、効率的な診療体制に驚かされました。外来診療も例外ではなく、1人あたり2~3分で診察が行われていました。特に神経科に関しては、九大病院での実習で先生方が丁寧に時間をかけて診療されていた印象が強く、そのギャップに慣れるまでは少し戸惑いましたが、典型的なパーキンソン病の所見を数多く観察でき、非常に勉強になりました。
言語面に関してですが、私は元々簡単な韓国語は理解できたため、基本的に韓国語でレクチャーを受けていました。とはいえ、先生方は難しい内容になると英語に切り替えて説明してくださったので、韓国語に不安がある方でも問題なく実習ができる環境だと感じました。カルテ記載や普段の会話でも医療用語はほぼ英語で用いられており、医療英語の知識の必要性を痛感しました。また、先生方をはじめ、病院関係者の方は終始フレンドリーに接してくださいました。韓国の方はコーヒーを本当によく飲まれるのですが、私もほぼ毎朝先生にコーヒーをご馳走になっていました。福岡は最近韓国からの旅行先として人気が高まっているようで、先生方と福岡やソウルのおすすめの観光スポットについて話が盛り上がることも多かったです。さらに、さまざまな国籍の留学生約25人が同時期に実習を行っており、皆で一緒に食事に行くなど、思いがけない国際交流も楽しむことができました。
留学生たちと
最終日にはcertificationをもらえます!
【生活について】
病院近くのAirbnbに1カ月間滞在しました。病院まで徒歩約2分と非常に便利な立地で、地下鉄の駅やバス停も近かったので実習終わりにさまざまなエリアに足を運びました。観光客に人気のカフェや話題のスポットも平日の空いている時間帯を狙って訪れることができたのは、韓国に住んでいるからこそのメリットでした。病院がある恵化洞(ヘファドン)は大学が多く集まる学生街で、定食屋や居酒屋はもちろん、勉強しやすいカフェも充実していました。丁度韓国の大学祭シーズンと重なっていたため、いくつかの学祭にも足を運び、有名なアーティストのステージを見たりもしました。
休日には、ソウルを出て水原(スウォン)という地方都市や、台湾への小旅行をしました。また、以前九州大学に留学に来られていた韓国の医学生や先生方ともお会いすることができ、ソウルの街を案内してもらいながら、学生生活や医療ストライキの影響などについて話を伺うこともできました。
学祭の様子
漢江の噴水ショー
水原
【最後に】
ソウル大学でのクラークシップは私たちの代が初めての実施ということで、渡航前は事前情報がなく、不安も多くありました。しかし、ソウル大学の先生方はご多忙な中、実習のスケジュールを丁寧に組んでくださり、とても熱心に指導してくださいました。福岡から地理的には近い国ではありますが、医療者の考え方や、診療スタイル、文化の違いを間近で感じることができました。学生のうちに海外の医療現場を実際に見て、学ぶことができたのは本当に貴重な経験であり、将来の医師としての成長に必ず活きるだろうと感じています。韓国での実習に少しでも興味をお持ちの皆さんには、ぜひ一歩踏み出して挑戦してほしいと思います。最後になりますが、今回の実習に際して多大なご支援をいただいたソウル大学、九州大学の皆様に、心より御礼申し上げます。
中村美月さんの実習報告
ソウル大学での実習
5月12日から6月6日までの4週間、ソウル大学病院 (SNUH) で臨床実習をさせていただきました。脳神経内科と小児科で2週間ずつ実習させていただきました。
実習について
私は前半の2週間を脳神経内科、後半の2週間を小児科で実習させていただきました。
脳神経内科では、外来見学や病棟見学だけでなく、多発性硬化症のラボも見学させていただきました。また、2週目には、毎日 MICU で、4人の患者さんについての検査やバイタルの毎日の変化と対処法を先生が英語で丁寧に説明してくださり、大変勉強になりました。小児科では、外来、病棟以外にも先生が個別に指導してくださりました。
他国からの留学生との交流
ソウル大学では、同じ期間にタイ、イギリス、カザフスタン、台湾、シンガポールなど多くの国からの留学生を受け入れており、韓国の学生だけでなく、各国の学生と交流することができました。その中で、留学生の英語力の高さに驚きましたし、自分の英語力不足を痛感しました。英語の勉強をもっとがんばろうと思えた経験でした。他にも、海外の方のよりオープンで積極的な姿勢にも驚きました。その中で、普段から細かいことを気にしすぎる自分の性格にも気づくことができ、英語力以外にも多くの成長ができたと感じています。
韓国での生活
昼食は、家で買ってきていたものを食べたり、食堂を利用していました。私は、韓国料理が大好きなので、食堂の料理はどれもとても美味しかったです。夜は、留学生と一緒にご飯を食べに行ったり、友達とペダル(韓国の出前)を頼んだりもしました。
授業が終わった後は、一人で自由行動する時間も十分あり、留学生や友達と観光スポットを巡るなど、とても充実した1か月を送ることができました。
最後に
海外の医療現場で実習を行うという貴重な機会を頂けたことに感謝申し上げます。留学の準備にご尽力くださった医学学生係及び国際推進部の皆様、そして快く受け入れてくださったソウル大学の先生方、本当にありがとうございました。
仁済大学の学生がいろんな所に連れて行ってくれた際の、Nソウルタワー
ソウル大学病院の入り口
同じ時期にソウル大学に留学に来ていたメンバーとの食事会
