2025年08月28日
国際・留学
韓国 釜山大学校での臨床実習報告(クリニカルクラークシップ)
「クリニカル・クラークシップ」とは、学生が医療チームの一員として診療・治療に参加し、臨床能力を身につける臨床実習方式のことです。
九州大学医学部医学科では、韓国の釜山(プサン)大学校と学生交換交流を実施しています。釜山大学校と九州大学病院とで、相互にクリニカル・クラークシップのための短期留学派遣を行っています。
英語をはじめとする外国語を用いながら、母国とは違う医療の現場を肌で感じる経験は、学生にとって通常の大学生活では得られない貴重なものとなっています。
本記事では、2025年5月12日から6月6日にかけて短期留学を行った学生の報告を掲載します。
長谷川稜斗さんの実習報告
釜山大学での実習について
私は学生交換交流プログラムに参加し、釜山大学病院で約1か月間病院実習を行ってきました。
病院の先生方や学生に日本のお菓子をプレゼントするととても喜んでくださるので、事前に大量のお菓子を準備して持っていくのをお勧めします。
実習について
私は前半の2週間で脳神経内科を後半の2週間で血液腫瘍内科を回りました。昨年から続くストライキの影響で実習をしている学生はほとんどおらず、私が実習した科も学生は私のみであったため、実習は先生とほぼマンツーマンで行いました。
脳神経内科では、主に外来見学と検査見学を行いました。英語での会話は最初とても緊張しましたが、先生方がゆっくり丁寧に話してくださったため、落ち着いて会話をすることが出来ました。また、医学英語に関しては、事前に2週間分の実習内容についてのスケジュールをくださったおかげで、前日に次の日の講義内容について英語で勉強することが出来たので、あまり苦ではありませんでした。外来中の先生と患者さんとの会話はもちろんですが韓国語なので一切わかりませんでしたが、神経学的身体診察は特に日本と変わりなく行っていたのでその様子はとても勉強になりました。
血液腫瘍内科では主に回診見学を行いました。回診では実際の患者さんに留置されてる PICC や CV ポートを見せていただいたり、COPD の患者さんの聴診をさせていただいたりしました。一人一人の患者さんの回診が終わるたびに患者さんの状態について説明してくださるのですが、私が化学療法の薬剤についての知識が乏しかった為、仰っていることを理解するのに時間がかかってしまい、知識不足を痛感しました。
英語について
私はこの韓国での実習において英語の学習を最も重要視していました。韓国での実習が正式に決定してから、YouTube や書籍等を使って英語を勉強しましたが、特に有効だったのが ChatGPT を用いた英語学習でした。ChatGPT には音声認識の会話機能があり、手軽に英会話の練習をすることが出来ました。また、自分が返答した内容を ChatGPT に校正してもらうことも出来るため、効率的に英語の勉強ができました。実際の病院実習の際でも ChatGPT を使う機会は多くあり、先生方との会話があまり上手くいかなかった時に、どう答えればよかったかを後に ChatGPT に聞くことで、最適な返答を学び同じ場面が来た際に、その学んだ返答を実際に使ってみることで定着させていくというプロセスを努めていました。その他様々な場面で ChatGPT が活躍してくれたので、今後海外留学に行く方には是非お勧めします。
韓国での生活について
渡韓する前に、釜山大学さんが案内人として2人の学生を私たちに紹介してくださり、その2人の学生が私の韓国での生活を全面的にサポートしてくれました。運が良かったことに、その2人の学生は日本語も堪能で、日常会話はスムーズに行うことが出来たのでとても助かりました。また、その2人はとてもアクティブで、ご飯や遊びに誘ってくれる機会が多くあり、様々な特別な経験をすることが出来ました。また、釜山大学の先生方も積極的で優しい方々が多く、ご飯や飲み会に何度も誘っていただいたり、私が野球を好きだと伝えたこともあって、2回も野球観戦に連れて行っていただきました。韓国の野球は応援の力強さが特徴で、球場全体が応援で包まれている様子は、迫力があってとても楽しかったです。釜山にはロッテジャイアンツという地元密着型の球団があり、釜山のほとんどの人がロッテジャイアンツの熱狂的なファンであるらしいです。実際、釜山の人と話していると、ほぼ確実に好きなスポーツについて聞かれ野球と答えると、嬉々とした表情でリアクションしてくれて会話が弾むことが多かったので、野球が好きな方は釜山大学病院での実習を強くおすすめします。
終わりに
私は英語での病院実習に興味があり、英語話者に囲まれる環境で英語を学んでみたいという気持ちがあった点と、比較的安価で留学が可能であるという点からこの釜山大学での海外実習プログラムに参加させていただきました。正直なところ、韓国という土地での実習にあまり拘ってはいなかったのですが、この1か月を通して、海外実習として韓国特に釜山を選んで間違いなかったと心から思います。実習も滞りなく進み、英語力も向上することが出来たほか、ご飯も美味しく、何より釜山で出会った方々がとても優しく、積極的に様々なことに誘ってくれたおかげで非常に充実した1か月を送ることが出来ました。海外留学に興味があるが、英語力や金銭的な都合で参加することを躊躇している方は是非このプログラムに参加してほしいと思います。最後に今回の交換留学に携わってくださった全ての方にこの場を借りて御礼申し上げます。
釜山大学の学生と野球観戦
脳神経内科の教授と野球観戦
