学生生活

2026年08月27日

国際・留学

米国 クリーブランド・クリニックでの臨床実習報告(クリニカル・クラークシップ 5期及び6期)NEW

「クリニカル・クラークシップ」とは、学生が医療チームの一員として診療・治療に参加し、臨床能力を身につける臨床実習方式のことです。

九州大学医学部医学科では、臨床実習の一環として、米国クリーブランド・クリニック短期実習プログラムを実施しています。クリーブランド・クリニック (Cleaveland Clinic) は米国および世界でもトップレベルの病院として一貫して高い評価を受けており、脳死・生体肝移植は年間150例ほど行っています。

このクリーブランド・クリニック短期実習プログラムは、外科部長の Frug 教授と、移植外科の責任者である Miller 教授の了承のもと、九州大学病院 消化器・総合外科(第二外科)が主体となって実施しているプログラムです。プログラムの内容としては、脳死肝・小腸移植ドナーおよびレシピエント手術への参加、ICUおよび病棟での移植外科診療への参加、セレクションコミティーや病理カンファレンスを含む各種カンファレンスへの参加などが挙げられます。

本記事では、2026年5月から7月にかけて短期留学を行った学生の報告を掲載します。
  
  第6期:2026年6月15日から7月10日 廣松 桃佳さん、三好 康介さん
  第5期:2026年5月18日から6月12日 森下 正滉さん、深水 秀さん

 

廣松 桃佳さんの実習報告

                クリーブランドクリニック実習報告書

                                            廣松 桃佳
私は、2026年6月15日から7月10日までの4週間、米国クリーブランドクリニックのHepato-pancreato-biliary & Transplant Departmentにて橋元宏治先生のご指導の下で臨床実習をしました。

【実習】
主に手術見学と回診、zoomカンファレンスに参加しました。日本では生体肝移植しか見学したことがなかったのですが、クリーブランドクリニックでは、脳死下肝移植(DBD)または循環停止後肝移植(DCD)が、多い時には一日に複数件も行われており、日米の臓器移植件数の圧倒的な差を実感しました。また、レシピエントもドナーも日本で見かけないような体格の大きい方もおり、驚きました。DCD臓器提供にいたるまでの実際の流れを医療スタッフ間のメッセージのやりとりをリアルタイムで把握させていただけたのは貴重な経験でした。
常温機械灌流(Normothermic Machine Perfusion; NMP)、低温機械灌流(Hypothermic Oxygenated Machine Perfusion; HOPE)についても見学しました。第二外科の南祐先生に原理から、操作の流れ、ドナー肝臓の機能評価指標について生化学的な観点からご説明していただきました。測定される複数の指標を通じて、1つの物質では説明できない肝臓の奥深さを改めて実感し興味深いと感じました。
回診は、医師以外にも移植専門PA(physician assistant)、薬剤師、看護師など多職種で行われており、PAの方が自分の担当患者の状況を医師にプレゼンし、処方やカルテ業務までこなしている姿が印象的でした。各職種が自身の専門領域に最大限の時間と力を注げるよう分業が高度に発達している点に感銘を受けました。また、患者さんやご家族と医療陣が対等な関係で会話を交わし、患者さん側からも積極的に質問している様子から「患者中心の医療」を肌で感じることができました。
現地で働く医療従事者の方々の出身国は多岐にわたり、独特のアクセントのある英語に苦戦したりジョークのツボが分からず戸惑ったりすることもありましたが、皆様いつも笑顔で挨拶をしてくださり親切でした。
後半2週間からは、韓国やトルコからの医学生も移植外科に加わりました。彼らの英語力や手術における医学知識の高さ、意欲的な勉強姿勢に大きな刺激を受け、医学英語の学習意欲も高まりました。休日には一緒に野球観戦やピザパーティーをするなど楽しく交流を深めることができました。
今回の実習を通して、国際的に通用する医師になるには、英語を聞き取る能力だけでなく、自分の意見を英語で伝える表現力や質問力、積極的にコミュニケーションを取る姿勢が重要であると学びました。

【生活】
キャンパス内のAirbnbに滞在しました。サマータイムにより毎日夜9時程まで明るかったのがとても印象的で、湿気も日本より少なく快適な気候でした。休日にはニューヨーク、ボストンやシカゴ、ナイアガラの滝なども訪れ、北米の大自然や文化を体験することができました。南先生には私生活でも大変お世話になり、美味しいごはんをごちそうしていただいたり、現地のResearch fellowの先生方とのBBQパーティーにお招きいただいたりと、多くの経験をさせていただきました。

【最後に】
素晴らしい先生方や医学生との出会いを通じて、充実した時間を過ごすことができました。初めての渡米で少し不安もありましたがあっという間の4週間でした。
今回の留学を通して将来留学に挑戦したいという思いが強くなりました。
最後に、このような貴重な機会を与えてくださった吉住教授をはじめ第二外科の先生方、現地でご指導、ご支援いただいた橋元先生、南先生、そして留学を支援してくださった方と家族に心より感謝申し上げます。


             
                    Cleveland clinicで最も古いビル
 
            
                     海外の医学生たちと野球観戦

            
                    南先生、研究室の先生方との昼食

 

三好 康介さんの実習報告

               クリーブランドクリニック 臨床実習報告

                                 九州大学医学部医学科6年 三好 康介

2026 年 6 月 13 日から 7 月 10 日までの 4 週間、クリニカルクラークシップの一環として、Cleveland Clinic Hepatopancreato-biliary & Transplant Department (Ohio, USA)にて実習をさせていただきました。世界屈指の医療機関において、橋元宏治先生をはじめとする先生方のご指導のもと、日本では経験することのできない貴重な症例や先進的な医療システムに触れ、多くの学びを得ることができました。以下にその詳細をご報告いたします。

臨床実習における学びと経験

・多職種連携と効率化を体現する回診
日々の回診は毎朝 9 時 30 分頃から始まり、約 2〜3 時間をかけて行われました。回診のチームは attending(指導医)、fellow(専攻医)、resident(研修医)に加え、PA(Physician Assistant)、薬剤師、看護師など、多様な職種によって構成されています。特に 1 週目に同行させていただいた前ディレクターであるイラン出身の Bijan 先生の回診は非常に印象的でした。そこでは患者-医師間の双方向の対話が徹底されており、患者さんも疑問があれば遠慮なく医師に質問をぶつけ、それに対して医師が噛み砕いて丁寧に説明する光景が日常となっていました。また、学生の質問に対しても優しく答えてくださり、積極的な発言を歓迎する雰囲気でした。中でも移植専門の PA の方々の優秀さには驚かされました。彼らが処置や調整、書類作成などの実務を高いレベルで担うことで、医師がより高度な医療判断や手術に集中できる分業体制が確立されていました。

・手術見学と先進医療技術
手術見学では、DCD(循環停止後ドナー)や DBD(脳死下ドナー)からの肝臓移植手術を中心に、数多くの症例に立ち会いました。手術室は、attending、fellow、resident を基本とし、難易度の高い局面ではさらに別の attending がサポートに入るなど、臨機応変かつ安全第一の体制が取られていました。また、麻酔科医の配置人数が多く、細かい点まで徹底してチェックを行っている様子から、安全管理への高い意識を垣間見ることができました。移植専門のオペ看護師も非常に手際が良く、洗練されたチーム医療が展開されていました。手術室内の雰囲気は非常に自由で、音楽が流れる中でスタッフ同士が活発なコミュニケーションをとっている姿は、日本の厳粛な手術室とのギャップを感じました。実習期間中には橋元先生の執刀手術を見学する機会にも恵まれました。卓越した手技と迅速な意思決定は非常に印象的でした。世界有数の施設で日本人医師が第一線で活躍されている姿は、同じ日本人医学生として大きな刺激となりました。手術見学では、トルコをはじめ各国からの留学生とともに解剖学的構造や術式について意見を交わす機会がありました。それぞれの国で受けてきた医学教育や関心の持ち方の違いが議論にも表れており、多様な教
育背景を持つ学生と学び合うことの面白さを実感しました。残念ながら、臓器摘出(Procurement)については機会に恵まれず参加できませんでしたが、第二外科より研究留学中の南祐先生のご指導のもと、機械灌流(MachinePerfusion:NMP, HOPE など)を用いたグラフトの保存・評価技術を見学でき、最先端の移植医学の知見を得ることができました。

・現地で活躍する先生方からの学びとキャリアパス
今回の実習では、クリーブランドで医師・研究者としてご活躍されている先生方から、キャリアに関するお話を伺う機会に恵まれました。resident から渡米し、現在 attending としてご活躍されている先生、clinical fellowship を経てattending となられた先生、大学院在学中あるいは ostdoctoral fellow として渡米された先生など、それぞれの異なるキャリアパスや渡米までの経緯、ご苦労について具体的にお話を伺いました。こうした経験を通じて、海外で活躍するまでの道筋は一つではなく、多様な選択肢があることを学び、自身の将来のキャリアをより広い視野で考える契機となりました。


現地での生活環境と安全・経済面のリアル
生活面では、病院敷地内にある Airbnb の宿に滞在しました。病院へのアクセスは非常に良好でしたが、費用は極めて高額でした。また、周辺地域では安全面への配慮が必要な場面もあり、滞在先の選定には立地や治安を十分考慮することの重要性を学びました。また、円安と米国の物価高により、現地での生活費は想像以上でした。外食をすると簡単な食事でも非常に高額になるため、基本的には毎日自炊をして過ごしました。旅行先では自炊が難しいことも多く、安価な食事の選択肢が限られる場面もあり、食生活と経済的負担の関係について考える機会となりました。医療制度だけでなく、物価や生活環境を含めた社会全体の違いを実際に体験できたことも、今回の実習で得られた貴重な学びの 1 つでした。


言語の壁と国際交流
日本で相応の英語学習を積み、準備をして臨んだつもりでしたが、いざ現地に飛び込むと、ネイティブスピーカーが話す自然なスピードやスラング混じりの日常会話を正確に聞き取ることは困難でした。移植外科には世界各国から集まった非ネイティブの医師たちも多く活躍していました。非ネイティブ同士の英語は比較的意思疎通が図りやすい場面がある一方、国や地域によってはアクセントの違いから聞き取りに苦労することもありました。こうした言葉の壁がありながらも、同様に実習に赴いていたトルコ、韓国、中国、イギリス、インドなど世界中からの留学生と積極的にコミュニケーションを図り、打ち解けることができました。実習後には皆でピザパーティーを開いたり、アメリカの建国 250 周年記念日(7 月 4 日)の花火鑑賞したりなどを共に楽しみました。こうした交流を通じて、文化や教育背景の異なる仲間と互いに学び合い、将来も刺激を与え合える国際的な人的ネットワークを築くことができたことは、今回の実習で得られた大きな財産となりました。

おわりに(謝辞)
今回のクリーブランドクリニックでの 4 週間の実習は、医学的な知識の習得にとどまらず、日米の医療制度や社会構造の違い、多様なキャリアパスについて、視野を広げる機会となりました。世界有数の医療現場を学んだ経験は、今後の医師としてのキャリアにおける大きな道標となりました。最後になりますが、このような貴重な実習の機会を与え、送り出してくださった吉住先生をはじめとする第二外科の先生方や事務職員の皆様に、心より感謝申し上げます。また、実習期間を通じて多大なるご支援を賜り、常に温かく指導し激励してくださった橋元宏治先生、生活や学習の双方にわたりきめ細やかに寄り添ってくださった南祐先生をはじめ、現地でお会いし貴重なお話をしてくださった諸先生方に深く御礼申し上げます。そして、陰ながら支えてくれた家族に、この場を借りて感謝申し上げます。今回の経験を今後の医療への貢献として還元できるよう、一層精進してまいります。

             
                        クリニック前にて
 
             
                       橋元先生・南先生と

             
                        海外医学生と


 

森下正滉さんの実習報告

Cleveland Clinicにおける臨床実習を通して学んだ米国の移植医療

 
森下 正滉

私は2026年5月18日から6月12日まで、米国オハイオ州のCleveland Clinic, HPB & Transplant Centerにおいて、橋元宏治先生のご指導のもと実習をさせていただきました。
Cleveland Clinicは世界有数の医療機関であり、肝移植においても米国有数の施設です。私は以前より外科、特に移植外科に関心を持っており、米国で移植医療がどのような制度や体制のもとで行われているのかを学びたいと考え、本実習に参加しました。また、日本と米国では移植医療を取り巻く制度や症例数に大きな違いがあり、その背景についても学びたいと考えました。
実習では、手術見学、病棟回診、外来診療、臓器摘出への同行、機械灌流(MP)の見学など、幅広い内容を見学する機会をいただきました。手術見学では、Donation after Brain Death(DBD, 脳死下臓器提供)やDonation after Circulatory Death(DCD, 循環停止後臓器提供)による肝移植を連日見学しました。多い日には1日に5件の肝移植が行われることもあり、高い症例数を支える診療体制を実感しました。加えて、生体肝移植、腎自家移植、ロボット肝切除、胆管癌に対する肝切除、エキノコックス症に対する手術など、多様な症例も見学しました。
実習の中で最も印象に残ったのは、DCDにおける臓器摘出チームへの同行です。死亡確認後、待機していた外科医が速やかに入室し、心臓、肝臓、腎臓などの摘出を進めていく過程を見学しました。移植手術ではレシピエント側に届いた臓器を見ることが中心でしたが、臓器提供の現場に立ち会うことで、その臓器がドナーから提供されたものであることを強く実感しました。臓器提供の現場を経験したことで、移植医療は高度な外科医療であるだけでなく、ドナーとそのご家族の善意に支えられた医療であることを改めて認識しました。また、臓器摘出には外科医だけでなく、Transplant Coordinator(TC, 移植コーディネーター)や搬送スタッフも関わっていました。夜間や遠方でもチームが出動し、片道数時間かけて臓器摘出に向かうこともあると伺い、臓器提供を移植につなげる体制の厚みも印象に残りました。
日本では限られた施設でのみ実施予定となっているMPについても重点的に見学する機会をいただき、その実際の運用や臨床的意義について理解を深めることができました。特に、第二外科所属で現在Cleveland Clinicにいらっしゃる南祐先生から、機械灌流の原理や装置の管理、臨床での運用についてご指導いただきました。MPは、摘出臓器を体外で灌流しながら状態を保存・評価する技術です。実習ではNormothermic Machine Perfusion(NMP, 常温機械灌流)やHypothermic Oxygenated Machine Perfusion(HOPE, 低温酸素化灌流)を用いたMPを見学し、装置への接続、灌流中の管理、取り外しまでの一連の流れを見ることができました。MPにより保存時間に余裕が生まれ、深夜に到着した臓器を翌日の予定手術として移植したり、レシピエントの状態や臓器サイズに応じて別の候補者を検討したりすることが可能になります。また、灌流中の検査値や臓器の状態から、移植後に肝臓が十分機能しうるかを事前に評価できます。MPは単なる保存技術ではなく、限られた臓器をより安全かつ適切に移植へつなげるための技術であることを学びました。
外来見学では、診療の進め方の違いも印象的でした。外来では、医師と患者が対話を重視しながら診療を進めており、患者自身も積極的に質問や意見を述べる姿勢が印象的でした。医学的な説明だけでなく、患者との信頼関係を築くコミュニケーションが重視されていることを実感しました。
米国の医療体制についても、多くの学びがありました。Physician Assistant(PA, 医師の診療を補助)やNurse Practitioner(NP, 高度な実践能力を持つ看護職)が病棟管理、処方、患者説明、手術助手などを担い、医師と分業して診療を進めている点や、電子カルテを通じて他施設の情報を確認しやすい点は印象的でした。また、米国の移植医療では、Organ Procurement Organization(OPO)を中心に、臓器提供から摘出、搬送、移植までが組織的に調整されていました。高い症例数の背景には、単に臓器提供数の違いだけでなく、こうした制度や人的体制、多職種の明確な役割分担があることを実感しました。
休日には、ワシントンD.C.やニューヨーク、シカゴ、トロント、ナイアガラの滝、ピッツバーグなどを訪れ、北米での生活や文化にも触れることができました。実習だけでなく、都市ごとの雰囲気や文化の違いを自分の目で見ることができ、非常に充実した1か月となりました。
最後になりますが、このような貴重な機会を与えてくださった吉住朋晴教授、橋元宏治先生、第二外科の先生方、ならびに現地でご指導・ご支援いただいた南祐先生、Cleveland Clinicの先生方およびスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。今回の経験を今後の修学・臨床研修の学びにつなげ、さらに研鑽を積んでいきたいと思います。

Cleveland clinic前にて

Cleveland clinic前にて

臓器摘出に同行

臓器摘出に同行

機械灌流装置(NMP)

機械灌流装置(NMP)

深水秀さんの実習報告

米国クリーブランド・クリニックでの臨床実習報告

 
九州大学医学部医学科6年 深水 秀

2026年5月18日から6月12日までの4週間、米国クリーブランド・クリニック Hepato-pancreato-biliary & Transplant Departmentにおいて、橋元宏治先生のご指導のもと臨床実習を行いました。
将来は海外での診療にも携わりたいと考えており、大学低学年の頃から本プログラムを志望していました。世界有数の移植医療施設である同院で実習を行いたいと考え、参加を希望しました。このたび念願が叶い、多くの学びを得る貴重な機会をいただけたことを大変嬉しく思います。

実習

私はHepato-pancreato-biliary & Transplant Departmentに所属し、回診、外来、手術見学に加え、臓器摘出手術(procurement)にも同行し、移植医療の幅広い診療にチームの一員として参加しました。その中で、日本の医療との多くの違いを実感しました。
特に印象的だったのは、多職種がそれぞれの専門性を発揮しながら、明確な役割分担のもとで一つのチームとして患者診療にあたる体制でした。医師に加え、Nurse Practitioner(NP)、Transplant Coordinator(TC)、Transplant Assistant(TA)、Clinical Assistant(CA)などが緊密に連携し、診療を支えていました。
回診では、NPが患者の状態を的確に把握し、医師と治療方針を相談しながら診療を進めていました。日本では若手医師が担うことの多い術後管理や患者対応の一部をNPやCAが担うことで、医師は手術や高度な意思決定などに、より多くの時間を割ける体制が整えられていました。TCやTAは検査・受診の調整や他職種との連携を担い、診療が円滑に進むよう支えていました。
外来でも同様に役割分担が徹底され、情報整理や検査結果の確認、診療記録の作成などを各職種が分担することで、医師はカルテ入力に追われることなく患者との対話に集中できていました。診察室では職種や立場を問わず活発に意見が交わされ、患者を中心としたチーム医療が実践されていることを実感しました。
手術室では、和やかな雰囲気のなかでも、外科医・麻酔科医・看護師が常に密接なコミュニケーションを取りながら手術を進めていました。職種や経験年数に関係なく意見を交わし、互いの専門性を尊重しながら安全な医療を提供する姿勢は非常に印象的でした。
さらに、臓器摘出手術(procurement)には3例同行する機会をいただきました。米国では臓器調達機関(OPO:Organ Procurement Organization)が臓器提供全体を統括し、各施設と連携して効率的に臓器提供が行われています。私たちもOPOが手配した車両で提供施設へ向かい、複数の移植チームが迅速かつ組織的に臓器を摘出する様子を見学しました。日本では経験することが難しい臓器提供システムや、移植医療を支える組織的な体制について理解を深めることができました。

実習を通して学んだこと

今回の実習を通して最も強く感じたのは、世界トップレベルの医療が、個々の医師の技術だけでなく、多職種が互いの専門性を尊重しながら協働する文化によって支えられているということでした。あらゆる場面で活発に意見が交わされ、それぞれが主体的に最善の医療を追求する姿勢は、日本の医療のあり方を改めて考える貴重な機会となりました。

生活

週末を利用して、ワシントンD.C.、ニューヨーク、シカゴ、トロントなどを訪れ、米国の歴史や文化、雄大な自然に触れる機会にも恵まれました。また、現地で研究員としてご活躍されている南先生には生活面を含め多くのご支援をいただき、海外で研究・臨床に取り組む先生方の日常に触れられたことも、大変貴重な経験となりました。

最後に

この4週間の実習は、移植医療への理解を深めるとともに、自身の将来について改めて考える貴重な機会となりました。多職種が互いを尊重しながら協働する姿勢や、積極的に学び意見を交わす文化に触れられたことは、大きな学びとなりました。
今回得られた学びを今後の臨床研修や研究に生かし、国際的な視野を持った外科医を目指して今後も研鑽を積んでいきたいと思います。
最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださった吉住教授をはじめ九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科)の先生方、橋元先生をはじめクリーブランド・クリニックでご指導いただいた先生方、現地で支えてくださった皆様、そして留学を支えてくれた家族に心より感謝申し上げます。

橋元先生のオフィスにて

橋元先生のオフィスにて

Cleveland Clinic の前で

Cleveland Clinic の前で

Cleveland モニュメントの前で

Cleveland モニュメントの前で

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