2026年06月23日
国際・留学
韓国 仁済大学校での短期留学報告(PBL実習)
「PBL(Problem-Based Learning):問題基盤型学習」実習とは、症例を用いた少人数グループ学習を通じて、臨床推論力や問題解決能力を養うことを目的とした教育プログラムです。
九州大学医学部医学科では、韓国の仁済(インジェ)大学校と学生交換交流を実施しています。
仁済大学校と九州大学病院とで、相互に短期留学派遣を行っています。
英語をはじめとする外国語を用いながら、母国とは異なる環境で医療を学ぶ経験は、学生にとって通常の大学生活では得られない貴重なものとなっています。
本記事では、2026年3月1日から3月6日にかけて仁済大学校へ短期留学を行った学生の報告を掲載します。
竹井蓮大郎さんの実習報告
『仁済大学』短期留学感想文
私は今回「3/1~3/6」までの6日間、韓国の仁済大学へのPBL短期留学プログラムに参加させていただきました。
私が経験したことや感じたことを紹介したいと思います。
① 参加しようと思ったきっかけ
今回このプログラムに参加しようと思った理由は主に3つあります。
(1) 2年生の解剖学実習の際に仁済大学の学生さんと交流する機会があったからです。
(2) 海外の医学生の学習を体験してみたかったからです。
(3) 英語力を向上させたかったからです。
⇒解剖学実習では、仁済大学の学生さんの優れた医学の知識量・英語力には、深く感銘を受けておりました。彼らが大学でどのような学習を積んで、能力を磨いているのかという点に、関心があり、その学びを知ることでこれからの自分自身の成長につなげたいと思い、今回参加を決意しました。
② PBL実習
PBL実習とは、患者さんの問診や診療データを通じて、考えうるあらゆる疾患を予想し、治療方法を考察するという、思考力・応用力重視のアウトプット中心の学習方法でした。今回の実習では1班7人で、3日間のカリキュラムで行われました。
1日目は、実際さながらの問診・身体診察といった、一連の診療を通じて、患者さんから様々な情報を受け取り、そこから、ブレインストーミングの要領で「この症状があるということは、この病気が考えられるのではないか?」という考えを自由に議論しました。2日目では、さらに、血液検査・画像検査の結果を教えてもらい、原因の特定へと至っていき、また最適な治療方法を議論していきました。3日目には、全班の前で、議論した内容のプレゼンテーションが行われました。
このPBLに参加して、やはり感じたのは仁済大学の学生さんのレベルの高さでした。私の班の班員の学生さんは皆英語が流暢でかつ、医学の知識も豊富で、それをアウトプットする能力も高く、1つの症状から何十個もの原因を考察し、議論を深めており、まさに圧巻でした。
今回の実習では、主に「積極性」を深く学びました。私は普段、議論の場になると、「間違ったことを言ってはいけない」と考えてしまい、遠慮がちで議論してしまうことがありました。しかし、PBL開始前に、先生より「積極的に参加をして、いろいろな物を吸収しよう」とアドバイスをいただいて、勇気が出て、一歩踏み出してみようと思ったのです。
もちろん実習では、積極性という課題に加え、医学知識の不足・言語の壁という、さらに二つの壁が立ちはだかる、かなり困難な状況でした。それでも自分らしく発言し、2日目・3日目には議論の司会にも挑戦させていただきました。
議論中・司会中は決して、完璧に英語を話せたり、医学的な知識を発揮できたりしたわけではありませんでした。わからないことがあったら、その都度翻訳アプリで意味を調べたり、仁済大学の学生さんから温かいサポートをしていただいたりして、ようやく最後までやりぬくことができたという感じです。しかし、日本語でも難しい議論の場において、勇気をもって積極的に行動してみたことは、自分の自信に一歩つながったと思います。
③ 『仁済大学』の学生さんとの国際交流
この留学では、多くの学生さんと交流させていただきました。仁済大学の学生さんは、大変親切に接してくれ、活発な対話を通じて、楽しい思い出が作れました。PBL実習最終日の放課後には、「広安里ビーチ」を案内してくれて、一緒に夕食を食べました。現地で役立つ韓国語や美味しい食べ物、文化についても紹介してもらい、韓国の魅力に改めて気づきました。学生さんたちは日本にとても興味を持ってくれており、日本についても語り合うこともできました。
また、解剖学実習で知り合った学生さんとも現地で再会でき、さらに親睦を深めることができました。
現地で親しく接してくれた皆さんのおかげで毎日がとても充実していました。感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
④ 最後に
この一週間は私にとって本当に貴重な経験になりました。医学や英語に対しての勉強のモチベーションの向上にもつながり、また韓国対しての興味関心も一層深まり、韓国語も話せるようになりたいと思いました。
最後になりますが、この度貴重な留学の機会を与えてくださった、石先生をはじめとする現地の先生方、日本で留学のサポートをしてくださった皆様に、深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
この留学を通じて得た経験を糧に、より一層自分自身を磨いていきたいと思います。
PBLの写真
PBL修了書授与の写真
澤凜太郎さんの実習報告
PBL報告書
私は2026年3月3日から3月5日にかけて、韓国・釜山の仁済(インジェ)大学において、カリキュラムの一環であるPBL(Problem-Based Learning)に参加した。PBLとは、学生同士で一人の患者についてディスカッションを行い、疾患・病態・治療を推論していく学習形式である。
授業は午前(11:00–12:50)と午後(14:00–15:50)に分かれており、午前は教員の指導のもとでディスカッションを行い、午後は午前中に挙がった問題点や課題を各自で調べ、理解を深める時間であった。
初日は模擬患者が提示され、学生の一人が医師役となって問診・診察を行った。初診後、与えられた基本情報をもとに鑑別診断を挙げ、次に行うべき問診内容や診察項目について議論した。その後、再度診察を行い、このプロセスを数回繰り返すことで、可能性のある疾患を絞り込んだ。2日目には血液検査や画像検査などの追加情報が提示され、それらを踏まえて最終診断を決定し、さらに短期的・長期的治療方針について議論した。3日目には、大学側から提示された類似疾患との鑑別問題に取り組み、グループごとにConcept mapおよびSchemaを作成した。
本実習を通して、特に「英語力の重要性」と「体系的理解の必要性」を強く実感した。ディスカッションはすべて英語で行われたため、自分の意見を述べる際や、疾患や病態を説明する際に苦労する場面が多かった。一方で、韓国の学生は多くの医学知識を英語で習得しており、その差に大きな刺激を受けた。今後、学習や研究を進めるうえで英語力は不可欠であり、その重要性を改めて認識する機会となった。
また、韓国の学生が作成していたConcept mapやSchemaは、知識を体系的に整理するうえで非常に有用であると感じた。これまでの講義では、試験対策として個々の疾患を個別に学習することが多く、知識が断片的になりやすく、理解も浅くなりがちであった。しかし、Concept mapを用いることで、病態生理に基づいた関連付けが可能となり、より深い理解につながると考えられた。さらに、PBLという学習形式そのものも、学生が主体的に学ぶ姿勢を養う上で非常に有意義であり、九州大学の講義にも導入する価値があると感じた。
実習は毎日16時頃に終了し、その後は観光や食事を通じて交流を深めた。2年次の解剖実習で親しくなった仁済大学の学生とも再会し、食事や観光に連れて行ってもらうなど、充実した時間を過ごすことができた。また、カラオケに行って互いの国の音楽を紹介し合ったり、深夜まで語り合ったりする中で、国境を越えた交流の楽しさを実感した。多くの学生が日本に関心を持っており、非常に温かく接してくれたことも印象的であった。
今回の留学は、学習面・語学面・交流面のいずれにおいても非常に有意義な経験となった。語学や知識に不安がある場合でも、実際に参加することで多くの学びが得られると感じた。私自身も不安を抱えながらの参加であったが、周囲の学生の支えもあり、司会進行を担当する機会にも挑戦することができた。こうした経験を通じて、学生のうちは失敗を恐れず挑戦することの重要性を実感した。今後も自己成長のために積極的に新たなことに挑戦していきたい。
最後に、本実習に際してご指導いただいた先生方、運営に携わってくださった学務の方々、そして温かく迎え入れてくれた仁済大学の学生の皆様に深く感謝申し上げる。今後もこのような貴重な実習の機会が継続されることを願っている。


上⽥花壽さんの実習報告
仁済⼤学校国際交流(PBL)感想
2026年3/1から3/6で、韓国の仁済⼤学校で⾏われたPBLに参加させていただきました。実際のPBLの授業は3/3から3/5の3⽇間で⾏われました。昨年の解剖実習の際、仁済⼤学校の学⽣が私の班に参加してくれ、たくさんの楽しい思い出を⼀緒に作りました。その経験から、今度は⾃分が相⼿の⼤学を訪れ授業を体験してみたいと思い、今回のPBLに参加しました。また、これまで⻑い間学習してきた韓国語を、実際に使いながら現地の学⽣と交流をしたいという思いもありました。
PBL(Problem-Based Learning)は、提⽰された症例をもとに学⽣同⼠で議論しながら診断や治療⽅針を考えていく学習⽅法です。今回のPBLでは「乏尿」をテーマに、3⽇間かけて1つの症例について議論しました。1⽇⽬は、模擬患者に対して学⽣が問診や⾝体診 察を⾏うことから始まりました。その後、班で追加するべき問診や必要な検査について議論し、得られた情報をもとに考えられる疾患を挙げていきました。2⽇⽬には⾎液検査の数値やCT画像などの検査結果が提⽰され、それらをもとに診断を絞り込み、治療⽅針について検討しました。さらに類似症例についても議論を⾏いました。3⽇⽬には各班が議論の結果を発表し、全体で意⾒交換を⾏いました。
この研修で特に印象に残ったのは、仁済⼤学校の学⽣たちの知識量の多さと英語での議論能⼒の⾼さです。学⽣に聞いたところ、仁済⼤学校では新しい単元に⼊る前にPBLを⾏うそうで、今回扱った腎臓の内容についても、まだ詳しく学んでいなかったそうです。それにもかかわらず、学⽣たちは「乏尿」という症状から関連する疾患や障害部位の可能性を次々と挙げ、積極的に議論を進めていました。⼀⽅で私は、授業で学んだ知識を症状と結びつけて考えるということが⾮常に難しく、⾃分の理解の浅さを痛感しました。
また、疾患名や医学⽤語を英語で理解し議論することの難しさも感じました。韓国の学⽣たちが専⾨的な内容を、英語で⾃然に議論している姿には本当に驚きました。
授業は3⽇間と短い期間でしたが、授業外でも多くの楽しい経験をしました。昨年九州⼤学を訪れてくれていた学⽣たちが釜⼭の観光地を案内してくれたり、⼀緒に⾷事をしたりするなど、忘れられない時間を過ごすことができました。特に印象に残っているのは、授業最終⽇の放課後に同じ班の学⽣たちと訪れた海雲台のビーチです。綺麗な海を眺めながらみんなで写真を撮ったり、韓国ならではの料理をデリバリーで注⽂したり、韓国語でたくさん話をしたりと、本当に楽しい思い出ばかりです。
今回の研修を通して、能動的に学ぶことの重要さを実感しました。普段の授業では「この疾患がこのような症状を引き起こす」という形で知識を学ぶことが多いですが、実際の臨床では症状から原因となる疾患を考えていく必要があります。PBLを通して、症状から様々な単元の知識を結びつけ診断に近づいていくという過程を体験できたことは、今後の学習においても⼤きく⽣かせると思います。
最後に、このような貴重な機会をくださった九州⼤学および仁済⼤学校の皆様、そして温かく迎え⼊れ釜⼭を案内してくれた学⽣の皆さんに⼼より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。



井手麻保子さんの実習報告
仁済大学国際交流
私は2026年3月1日から6日までの6日間、韓国・仁済大学校で行われた国際交流に参加しました。
学部1年生の頃、留学生と一緒に全て英語で行われる授業を受けた経験があり、その中で仲良くなった留学生が韓国にルーツを持っていたことから、以前より韓国に興味を持っていました。その経験を生かし、仁済大学の学生とも交流したいと考えたこと、また英語力の向上や、他大学の教育方法を実際に体験してみたいという思いから、今回のPBLへの参加を希望しました。
PBL(Problem-Based Learning)では、模擬患者の主訴や検査所見をもとに、学生主体で鑑別疾患を挙げ、診断・治療方針を考えていきます。今年のテーマは「乏尿」であり、乏尿という一つの主訴から考えられる病態を挙げ、それを他の症状や検査結果と組み合わせながら鑑別していくという、ベッドサイドに非常に近い形式で進められました。日本の授業では「〜病の症状は…」という形で学ぶことが多いため、症状から原因を逆に考える思考過程は新鮮であり、同時に難しさも感じました。しかし、日本で学んできた知識が土台として確かに生きていることも実感でき、このPBLの裏には、各自が事前に膨大な量のインプットを行っているのだろうと感じました。実際、仁済大学の学生たちは宿題の量も多く、非常に勤勉で、その上で4年生の初めの段階から実臨床に近い内容に取り組んでいることに大きな刺激を受けました。
特に印象に残ったのは、仁済大学の学生の英語力と議論への積極性です。彼らは流暢な英語で自分の考えを述べるだけでなく、グループ内の意見をまとめたり、発表を主導したりしており、その発音の美しさにも驚かされました。議論の場では、意見をどんどん出し合いながら思考を深めていく姿勢が印象的で、発言することを恐れてしまいがちな自分自身の姿勢を見つめ直すきっかけにもなりました。
PBL以外の時間も、現地の学生たちのおかげで非常に充実していました。カラオケに行ったり、伝統的な韓国の居酒屋に連れて行ってもらったり、おすすめのお店を教えてもらったりと、毎日が新鮮でした。最終日には、広安里の海が見える場所で、さまざまな出前料理やコンビニのお菓子を持ち寄って飲み会を開いてくれました。日本の宅飲みのような雰囲気で、ゲームや冗談で大いに盛り上がり、より一層距離が縮まったように感じました。プリクラを撮ったり、海辺で写真を撮ったりした時間も、忘れられない思い出です。忙しい中でも私たちを遊びに連れて行ってくれたことに、心から感謝しています。
今回のPBLを通して、自分は英語が得意な方だと思っていたものの、仁済大学の学生たちの英語力に触れ、まだまだ努力が必要だと痛感しました。将来は、母国語のように英語で医学を語れるようになりたいと強く思うようになりました。また、彼らの豊富な医学知識と学習姿勢に刺激を受け、場所は離れていても切磋琢磨できる存在であり続けられるよう、より一層知識を身につけ、それを実臨床に応用できるようになりたいと考えています。
最後に、このような貴重な機会を与えてくださった仁済大学校および九州大学の関係者の皆様、そして温かく迎え入れ、共に学び、交流してくださった仁済大学の学生の皆さんに心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。


兒玉彩華さんの実習報告
仁済大学校PBL研修に参加して
この度、仁済大学のPBL(Problem-Based Learning)に参加させていただきました。参加するまでは、不安も大きかったですが、国際交流で出会った人たちは優しい人ばかりで、とても楽しく、充実した思い出になりました。
私は、この研修で初めてPBLを体験しました。PBLは、Tutorial、Discussion、Conferenceの3つのパートに分かれており、まず学生が模擬患者の診察を行うことから始まります。診察結果をヒントに、原因や関連する疾患を考え、Concept mapを作成していきます。このConcept mapをもとに詳細な診察や治療方針を検討し、もう一度模擬患者の診察を行います。その後、何度かグループで話し合い、最終的に疑われる疾患やそれに対する有効な治療を導き出します。私たちは今回、男性患者の無尿をテーマにしたPBLに参加させていただきました。無尿の原因を腎前性、腎性、腎後性に分けて考え、それぞれについて診断や治療方針をグループで考察していきました。仁済大学では、まだ腎臓の授業は行われていなかったそうなのですが、そう思えないほど学生の知識が豊富で、圧倒されっぱなしでした。また、仁済大学では、テストが毎週あり、そのたびに医学用語を英語と韓国語の2言語で覚えるようで、大変そうだなと思うと同時に、強いあこがれを抱きました。流暢な英語で自分の考えを話す、グループの皆さんが本当に格好良くて、今後は、私も医学の勉強をする際に、できるだけ英語も並行して勉強していきたいな、と思うようになりました。PBLでは、すべての話し合いが英語で行われ、私は、話を聞いて理解するのが精一杯で、自分なりに考えたり、発言したりするのにとても苦戦しました。さらに、腎臓の知識だけでなく、生理学や生化学などの基礎医学の知識も必要であり、過去の授業のレジュメなども参照しながら、話題についていくのにも必死でした。しかし、同じグループの皆さんがとても親切で、私が話し合いに参加できるように手厚くサポートしてくれたおかげで、有意義な時間を過ごすことができました。休み時間には、他のグループの人もたくさん話しかけてくれ、一緒にご飯を食べたり、近くのコーヒーショップに行ったりもし、交流の輪を広げることができました。
放課後や学校がない日も、仁済大学の学生が、釜山の観光地や大学周辺のスポットに連れて行ってくれました。私は韓国に行くのも初めてで、韓国語もほとんど話せない状態だったので、とても心強かったです。帰国する前日の夜には、PBLで同じグループだったメンバーが、広安里の海が見える場所で、韓国料理をごちそうしてくれ、忘れられない思い出になりました。また、日本語がすらすら話せるような学生もいて、語学力の高さにも驚かされました。
今回の国際交流を通して、医学や語学に積極的に取り組む多くの友人と出会うことができました。彼らの姿に大きな刺激を受け、私も見習いたいと強く思いました。今後は、今回体験したことを生かして、医療についてより一層しっかりと勉強するとともに、英語をはじめとした様々な言語力を身に着けていきたいと考えています。
最後になりますが、このような素晴らしい機会をつくってくださった、仁済大学および九州大学の関係者の皆様に心より感謝申し上げます。貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。


