学生生活

2010年08月27日

専攻教育

『研究室配属を終えて』 医学科6年 久野 修さん

 

 
 


 九州大学医学部医学科では将来、保健・医療に貢献し、医科学の発展に寄与できる人材を育成するため、6学年の4月から5月にかけて基礎・臨床研究室配属学習を行っています。
 この学習では、医学の研究過程を追体験することや医学上の問題を発見し、解決していく科学的思考力、学習持久力、生命現象に対する好奇心、探究心を養う事を目的としています。
今年この実習を終えた医学科6年 久野 修さんの感想をご紹介いたします。


基礎研究室配属を終えて
医学科6年 久野 修


私は2ヶ月間、基礎放射線医学分野の研究室で実習をさせていただきました。あっという間の2ヶ月間でしたが今までの学生生活では経験できなかったとても充実した時間を過ごせたと思います。
 実習のテーマは融合タンパク質の生成と解析で、2つの機能をもつタンパク質をコードする融合遺伝子を、プラスミドDNAに組換えることにより大腸菌で発現させることができるようにする、といった実験を行いました。結果的には2カ月の間では、機能の解析まではやりきることができませんでしたが、融合遺伝子を持つプラスミドDNAの設計に始まり、組換えプラスミドDNAの作製、そして大腸菌における発現、さらにはタンパク質の精製と、新たな機能が想定されるタンパク質が作り出される一連の流れを自分の体で感じることができたのはとても感動的なことでした。実験の原理や方法については、はじめほとんどわからないというのが正直なところだったのですが、何度も教えて頂き、目の前の実験を逐一理解していくことで段々と全体の流れをつかんでいくことができました。
 今回の実習は基礎研究においてはほんの入口にすぎないのかもしれませんが、それを実際に体感したということがなによりの成果であったと思います。今医学部の6年生として臨床医になるために日々勉強を進めていますが、基礎の講義や実習のときには意識していなかった生物学的なものの考え方や遺伝的事象と疾患の関連の重要さを感じ始めたのは、病棟での実習が始まった5年生くらいからでした。そのうえで基礎医学研究に触れたからこそ、より高いモチベーションをもって実習に臨むことができました。今後医師として働く、あるいは研究者の道を目指す、いずれにせよこの基礎研究室配属で学んだことや感じたこと、あるいは先生方や大学院生の方々とお話したことはいつか必ず役に立つと思います。2ヶ月間研究の世界を見せて頂いて本当にいい経験となりました。ありがとうございました。


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